マンションの大規模修繕


設計監理方式によりマンションの劣化診断から大規模修繕工事完了までのコンサルタントをおこないます。
さらに長期修繕計画の見直しや策定もおこないます。

マンション管理新聞などで、マンションコンサルタント募集記事をよく見かけますが、募集条件で
3年間で10件以上とか書かれていますが、当事務所などでは絶対無理な数字です。大規模修繕は3年くらい
かけておこないますので、新規には年に2件くらいのペーストとしても3年で6件がせいいっぱいでしょう。
ほかに、3年分の決算書も良くわかりません。私どものような事務所は赤字経営が多いのです。


1 劣化診断調査

@ マンションの初回調査

マンション全体を屋上から地下まで専門家が確認をおこないます。専門家として建築の専門家だけでは
なく機械設備や電気設備の専門家も参加します。この初回調査において、マンションの特徴を把握し、劣
化の状態から2次診断の必要性を判断し、劣化診断調査費用の見積もりを作成することができます。

A アンケート調査

マンションの状態、特に居住者みずからバルコニーなどの点検をおこなっていただき、修繕への理解を深め
ていただきます。また調査結果から、バルコニーを中心とした住戸内調査の必要性を検討し、立ち入り
住戸を選定します。

B 劣化診断調査

立ち入り調査を決めた住戸の調査をおこないます。建築班と設備班などに別れ、管理組合役員に案内を
お願いして予定表の順番に住戸内調査をおこないます。バルコニーのみならず、ユニットバスの天井裏
など普段見ることのない箇所も調査をおこないます。
共用部では屋上から順番に調査をおこないます。屋上塔屋、機械室などから共用廊下、階段、1階では
エントランスホールや集会室など。地下に受水槽室、ポンプ室が有る場合があります。また住棟以外に電
気室棟や駐車場棟など、屋外外構まで調査をおこないます。
場合によっては機械を用いた調査や、躯体の一部を採取しての2次調査をおこなう場合もあります。

C 劣化診断のまとめ

建物の劣化状態は項目ごとにその劣化の状態について解説し、劣化の程度により5段階で表します。
また修繕の緊急度も5段階で表し、それぞれの項目ごとに概算の修繕費用を提示します。

D 劣化診断発表会

管理組合への報告が終わった後、マンション居住者全員を対象とした劣化診断発表会をおこないます。
できるだけ多くの皆さんに集まっていただき、お住まいの建物がどのように傷んでいるか、またどのよ
うに改善すべきかをそれぞれの専門家が写真をお見せして説明をおこないます。この説明会はマンショ
ンの規模により複数回おこなうことがあります。


2 修繕設計

@ 修繕委員会

劣化診断で明らかになった損傷部分の修繕と改善改良部分について、修繕委員の皆さんとともに修繕・
改修方法について検討をおこなって行きます。積立金予算と修繕緊急度を照らし合わせ修繕仕様の決定
し、改善改良箇所を抽出します。

A 修繕設計

修繕部位とその面積(数量)を明らかにするため、既存図面から算定をおこないます。既存図面が十分で
ない場合は新に図面を作成します。特に改善改良箇所は新たな図面が必要でしょう。
修繕設計書は、1,見積要綱書、2,設計見積書、3,修繕仕様書、4,設計図面になります。


B 修繕設計の発表と決定

管理組合総会を行い、広く設計内容を公開します。管理組合全員に熟知していただくことにより、これから
おこなわれる大規模修繕に対する理解を深めていただきます。

C 見積業者選定

見積業者の選定にあたり、選定要綱を作成し、広く公募することが原則でしょう。また多くの業者に応募い
ただいた場合は一次選定をおこない、数社に絞ることが必要でしょう。

D 現場説明

見積依頼業者にマンションに来ていただき、修繕設計の内容を実際の建物で説明をおこないます。依頼
業者が数社ある場合は、時間をずらしておこないます。組合員は各社がどのように建物を見るか参考に
なるでしょう。

E質疑回答

実際に見積をする中でさまざまな質疑に対して設計者が回答をおこないます。場合によっては管理組合
で検討の必要なこともあります。

F入 札

各社が見積書を提出します。設計者はその内容を検討し、過不足がないか抜けがないかを吟味します。
また項目ごとに一覧表を作成し比較しやすいようにします。

Gヒアリング

見積をしていただいた業者に来ていただき、説明をしていただきます。管理組合役員から質問をおこない
的確な答えが返ってくるかなどを判断材料とし、他に減額案やサービスについても確認します。


H業者決定

金額にとらわれず総合的に判断して管理組合で決めていただきます。いったん決まった限りは修繕委員
は誰にでも説明のできることが必要でしょう。理事会で内定し、臨時総会にて決定となります。


3 工事監理

@ 工事説明会

工事業者が工事説明会をおこないます。工事の流れから、工事中における注意事項や居住者のすべき
協力事項など重要な説明が多くありますから、居住者全員が参加することが大事です。集まりが悪い場合
は複数回行う場合があります。また、子供向けに紙芝居ですることもあるでしょう。

A 工事監理

管理組合員の代わりに現場にて設計図面通りできているかを確認します。各行程で監理者が検査をおこ
ない、確認した後、次の行程に進むことを許可します。

B 工事打ち合わせ会議

工事中は定期的に工事打合せ会議を開き、(1)工事の安全対策に問題はないか、(2)居住者の協力が適切
で作業に悪影響をおよぼしていないか、(3)工事が仕様書に基づいて適正におこなわれているか、(4)工
程が予定どおりに進捗しているか、(5)その他工事における問題点などについて協議し調整を図る。

C 工事完成

工事完成前に完成検査をおこない、不備があった場合には修繕の確認をおこなったのち、引き渡しとす
る。引き渡し書類の確認等をおこなう。

D アフター

各工事の保証期間に基づき、1年点検、3年点検などを実施し施工者に対して適切な補修をおこなわ
せる。


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