も〜っと!おジャ魔女どれみ「みんなでメリークリスマス!」感想文

僕が「どれみッチLOVE(笑)」になってしまった「かよ子ちゃんエピソード」の最終章である。前回でかよ子ちゃんは、美空小学校の「保険室の席」に登校する所までで終わった。これで終わりかと思っていたら、自分の教室に戻る事、学校へ行けなくなった理由までを明らかにする「最終章」が用意されていたのだった。僕にとっては嬉しい誤算である。

「学校へ行きたい!」感想文で、「♪ちゃんと一緒に転校してきたので割が悪かったのかも」と予想していたが、それはなかった様だ。しかし今回は「同じ転校生」として♪ちゃんとのからみはお話しの進行上で重要な部分となっていた。かよ子ちゃんがどれみッチと出会った事が幸運であった様に、♪ちゃんにとってもその出会いは幸運であったのだ。

かよ子ちゃんが自ら進み、MAHO堂のみんなの前で学校へ行かなくなった理由を話し始めたのは意外だった。それだけ彼女達に心を開いていると言う事もあるのだろうが、♪ちゃんやはづきちゃんが要所で尋ねるとか、もう少し手を加えた方が良かったかもしれない。「親や目上の人などのプレッシャー」と言う物は、僕自身もかなり身にしみて覚えのあることで、後半からは、ややTVを見るのが辛くなるようになってしまった。

今回のエピソードで選んだテーマは非常に難しい物で、その決着の付け方も難しい物である。学校の生徒や先生達、両親がお互いに謝って済んでしまったが、本来はもっと上手くはいかず、そしてこれからも難しい物になるはずである。特に誰からも助けを受けずに、自然に学校に来るようになって始めて、かよ子ちゃんの悩みが解決された事となる。今はどれみッチがいてくれるが、これから先には「どれみッチがいない」長い人生が待っているのである。実はにいの君のやっていた事は正しいのである。実際にも立場によっては「自分で考えて動く」と言う事を忘れてしまっている人も多かったりするものである。

教室の椅子に座れるまでに、これほど多くの仲間の手助けが必要だったかよ子ちゃんにとって、これからも大変な事があるだろう。しかし彼女にはどれみッチを助けたように「人を助ける力」も持っている。逆にかよ子ちゃんが多くの人達を救う事も出来るようになって行くだろう。

以前から『ジャパニメーション希望の星』と大プッシュ(笑)していたが、今回は「良くぞここまでやってくれたっ

!!」という思いである。富野さんだってこんなことを描いた事はないはずである(笑)。本来は小学校低学年の子どもまでをターゲットにしているだろう「も〜っと!おジャ魔女どれみ」で、描けるギリギの線であり、おそらくはそのターゲットの子ども達が観ても「何の事だか判らない」エピソードだったかもしれない。しかし当時はヒーローのアクションシーンだけ喜んで観ていたとしても、深いエピソードと言う物は何故か子ども心にも残っている物なのである。今回だけではなく、「おジャ魔女どれみ」は「いい仕事」をしている。

特にどれみッチが、「ここに吐きな!」と言って自分のパーカーの裾を引っ張り出したシーンは、僕にとって『どのヒーローよりも最強』の名場面となった。ああいう反応って、ハナちゃんの鼻水を吸い取ったり、オシメを換えたりして経験した物が背景にあり、母性的で女性的な物であり、そして強い物だと感じた。

TVドラマなどで、この様な物を描いた物もあるとは思う。アニメーションの良い所は、「生々しさ」を取り除いて「メッセージ」を純化して視聴者に差し出す事が出来る事である。ひつこい様だが、バトルがどうだのとか、本当に実感して描いているのかも怪しい「環境問題」や「人類批判」などを大仰にテーマに掲げるよりも、もっと色々描ける事があるはずだと思うのである。実際に「も〜魔女」はやっている。出来ない事はないだろう。受け手の立場としては、「売り上げを上げたい」と言う以上に、「子ども達に届けたい」と言う制作者側の強い思いを感じて好感が持てる。これからも大プッシュしたい、頑張って欲しい。

がんばれ、かよ子ちゃん!!

がんばれ、おジャ魔女どれみ!!

 

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僕は吐いてしまいました(笑)*あまりお勧めできません。僕の嘔吐物なので。