<しかし文句もいっときます>

まずは「シスタージル」の設定が違うんじゃないですか?ジルを演じた「篠井英介さん」は、「長き歳月を生きたジル」を素晴らしく演じていたと思います。ですが「永遠の命」「生命の木」「自閉的な人へのコミュニケーション」、これらは庵野監督の世界ですね。「エヴァ」の時も思ったのですが、始めは面白おかしく盛り上げて「甘い汁をすわせ」、後でじっくり「自分の言いたいことを聞かせる」というのも庵野監督の「手法」なのでしょうか?正直「ちょっと騙された」様な気分です。もっとサラリと描くことも出来たと思います。「ジル」はやっぱり「ハニーちゃん」と対極にある「美獣」でなければ。劇場で見た友人も「あれでテンション落ちた」と言ってました。何百人もの女性をエキスに生きている人を、僕は「かわいそう」は思えませんね。「初代TV版」の最終回のように、宝石たちに狂喜して落ちてきた銅像の首の下敷きになる、あのシーンを映画でも観たかった。

「モードは避けた」と庵野監督は言ってましたが、次回は出来たら「モードな人」にデザインをさせて欲しい。比嘉京子、中野裕通など(最近の人は知りませんが)、夢で言えばジョン=ガリアーノ、ジャンポール=ゴルチエ等々、「パンサークロー」までデザインしてくれるデザイナーがいますよ(幾らとられるかは知らないけど笑)。スタイリング担当の人のコメントも読みましたが、Tシャツの染めのこだわりがそんなに映像に反映されていたのかどうか疑問。衣装自体は、多くのものを作ったみたいですが、やはり予算的なものもあってか、あまり手の込んだものはありませんでしたね。

「本当はカルダンやクレージュみたいにしたかった」そうですが、あのアミューズメントのコンパニオンみたいなのがそうだったとしたら、「それは違うんじゃないですか」と言いたいですね。まあああいう造形的な服は、接着芯とか毛芯とかハ刺しとか、かなり「手作業」が入って、市販品で行くと「何十万」の世界ですからね。僕もどう作っているのかなんて知らない(笑)。今はそういうスタイルじゃあないし、あれがベストですかねぇ。でもあれもモデルボディーな「サトエリ」ちゃんだから決まってたんであって、他の女優さんだったら無理だったかも。やっぱ「サトエリハニー万歳!」ですよ。

でもやっぱり、「キューティーハニー」の戦闘服は好みじゃないですね。「初代」はあれだけ肩もさらして闘うところが良かったんだけど、実際は傷だらけになって大変なんだろうなぁ。「シンプルなデザイン」に並ぶには、やはり「シンプルなデザイン」でないと。でもそれが難しい。僕もあんまり思いつかないんですが。

「オープニングに期待」とHPでも書いたのですが、「荒木テイスト」を目指していただいたみたいですが、いいんですけど「越えてません」ね。「初代」と同じやり方では越えられないですね。「初代のオープニング」は、オシャレでかわいくて、セクシーでHで、カッコ良くてリズミカルで、「キューティーハニー」の良さが全て凝縮されていて、30年経った今見てもクォリティー高いですよ。「ポータブル空港」テイストでやって下さい、というのは贅沢なんでしょうか。個人的にはオープニング&エンディングの「サトエリバージョン」とか観たいですね。DVDで売ってください(笑)。後、「夜霧のハニー」の解釈が少し違いますね。確かに淋しい歌なんですが、「孤独で淋しい」のではなくて、「孤独な旅(人生を生きる)をするハニー」を「思い出が支え」たり、「誰かが求めている(出会いが待っている)」歌だと思っていたのですが。

まあ簡単に言ってしまうと、「007」「チャーリーズ=エンジェル」「オースティン=パワーズ」「キル=ビル」を混ぜたような作品になってくれたらいいなぁ〜なんて(笑)。ホント、言うだけは簡単ですねぇ(笑)。
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