
<カップルがガンダムを観るか?>
アニメ映画やTVアニメも、ビジネスとしてやはり成功しなければならないだろう。しかしどんなに判り易くしたとしても、例えば「スタイリッシュな男と女」でいたい恋人同士なんかが、「ガンダム」や「戦争もの」を観ようと思うだろうか?「恋愛」を主軸に生きている人には、やはり「恋愛的な世界」を広げてくれるものにしか興味を示さないのではないだろうか。「ガンダム=シリーズ」には、「恋愛もの的」な作品もあるが、富野監督の作品では「恋愛」が主軸になる事はない。やや「富野色」は薄いが、「エルガイム」はそうだろうか。「富野監督は恋愛がヘタ」という女性ファンもいらっしゃるようだが、筆者は富野監督が描く「恋人たち」も大好きである。ただそれを取り立てて飾り立てる事もしない。いくつかの「人のつながり」との一つとして、描かれているだけである。筆者にとっては充分魅力的なのだが、他の「恋愛もの」が好きな人には富野監督の恋愛描写は物足りないものなのだろう。
「電車男」などを観ても、それは恋愛を主軸にしたストーリーであるが故に、他の人間関係はその付属でしかない。結局は「美しい恋愛」を描くためのモノなので、筆者の眼から観ると「作りモノ」に感じてしまって馴染まないのだ。富野監督の「恋愛」は、人間関係の間に生まれるものなので、その恋愛を成熟させる為に物語が進行するものではない。「新訳Z」の「恋人たち」で描かれるカミーユとフォウの「恋愛」も、ニュータイプと強化人間いう似て非なる素養が惹かれて生まれてしまった「擬似恋愛」なのである。
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