いつもの学校の帰り道、MAHO堂へ行く途中の6つに別れた交差点。どれみッチ、あいちゃん、はづきちゃんは、「ミカン風呂」の話をしながら歩いていた。はづきちゃんは、「バイオリンの稽古」に、あいちゃんは、「お父ちゃんの晩御飯」を作りにそれぞれ別の角を曲がっていく。今日は、どれみッチひとりでMAHO堂に行く事になった。いつもは「左の角」から行くのだが、何気なく、気分転換に「右の角」から行ってみる事にする。いつもと少し違う風景。何か変な音が聞こえて、何気なくその家を覗いてみた。その家の中に何かの釜があって、火が入って炎が揺らめいている。
「散らかっているでしょ?」
いきなり後ろから声を掛けられた。綺麗な若い女の人、この家の主らしい。そして、
「あなた魔女でしょ?」
と言われてしまい、「マジョガエル」になってしまうと大慌てするどれみッチ!
…しかし何も起きなかった。名前は「みらい」、彼女も魔女だったのだ。
「みらい」さんは、この家でガラス工芸を作っていた。どれみッチも興味を持ってやりたがる。釜から出されて真っ赤になった棒に付いたガラスを、「飴見たい。食べてみたい」と言うどれみッチ。でもこのガラスは1500度の熱がある!「みらい」さんの合図で棒を「回して」、息を「吐いて」ガラスを膨らます。しかし「一度に二つの事が出来ない(笑)」どれみッチは失敗の連続。「この町に来たばかり」と言う「みらい」さん。どれみッチは、美空町の案内を買って出る。まずはMAHO堂に向かうが、どれみッチがサボって大激怒のマジリカの叫び声が聞こえて、パスすることに。海の見えるどれみッチ自慢の「美空町で一番眺めのいい所」に案内する。「みらい」さんは、御礼に小さな丸いガラス玉をくれた。「ガラスは海のように動いている。何十年、何百年、何千年とかけて。人間には分からない、でも魔女はそれを見る事が出来る」と。
次の日、「みらい」さんと出会って御機嫌などれみッチ。ハナちゃんも行きたがるが「補修」で学校に居残り、こたけ君も興味を示すが、「サッカーの練習」へ行ってしまった。「みらい」さんの家に行くと、郵便配達の人から絵ハガキを受け取った。「みらい」さんは、ガラス作りで忙しそう。待っていると大きな鏡台を見つけ、なんとなく開いてみると、一面に写真が張ってあった。これは「みらい」さんの宝物だと言う。「世界中を旅しているんですね!」と羨ましがるどれみッチ。「みらい」さんは、「旅行と言うか、引越し」といい、「ガラス工芸を教えた」男の人と、「ケンカの仕方を習った」オバさんなんかを教えてくれた。そして「同じ人といると不都合がある」とも言った。家に帰ると、ぽっぷがお母さんとピアノの練習をしていた。
今日も「みらい」さんの話をするどれみッチ。♪ちゃんとモモちゃんも行きたがるが、6つの角で♪ちゃんは「お仕事」に、モモちゃんは「お母さんの写真撮影」で別々の角を曲がっていった。結局今日も、どれみッチ独りで「みらい」さんに会いに行く。再びチャレンジしたガラス工芸も、また失敗(笑)。「何か得意なものが欲しい。自分の進路の先が見えない」と悩むどれみッチ。「みらい」さんは、「別に見えなくてもいいじゃん」と言う。そしてどれみッチは、やっと一つガラスのコップを作った。後はこの熱を覚ますだけ。
「明日、必ず取りに来て」と「みらい」さん。自分に「ガラス工芸を教えた」人は、90歳になり今やその道では有名な職人となっている。「みらい」さんは、「あの彼女の娘」としてその人の所で修行をすると言うのだった。
「魔女には、こういう生き方もあるのよ。わかる?」
「あなたは、魔女の世界をガラス越しに見て来ただけ。」
「この先が見たかったら、…一緒に来る?」
「みらい」さんの言っている事は、どれみッチにはわからなかった。その日の晩、学校でも考えて、どれみッチは意を決して「みらい」さんの家に走っていった。
<感想>
僕としては、ヒット作の多い「おジャ魔女どれみ・シリーズ」の中でも、これは屈指の名作であると言える。各キャラクターの面白い所をアクセントとして、CGを駆使した美しいガラスの映像で、しなやかに優しくストーリーを運んでいく。丸い球体の小さな世界、スリガラスに映る影、花模様の浮いたガラス皿。そしてそれらが映し出す少し懐かしさを感じる古い町並、木枠の窓、アールデコ風の家具、敷地一杯に木や花が植えられた庭、室内にも土の香りがしそうな木造の家。子供の頃を思い出す、高架下や石段の路。東京には、こういう風景のある場所が良くあった。
制作者の好みからだろうと思っていた原田知世も、「魔法を使わなくなった魔女」を少し淋しさを含ませてサラリと演じていてとても良かった。「みらい」さんが居場所を定めないのは、おそらく「長い命」の為。その御陰で、世界中の多くの人達と出会う事が出来た。そしてこの美空町には、他のMAHO堂のみんなにではなく、一人悩むどれみッチの未来の為に来たのであろう。「魔女になる」ということを一つの夢として来たどれみッチ。「みらい」さんは、魔女の生き方の一つを示してくれた。「人と一緒に生きる」のではなくて、「人の人生を見守って」生きる事。そしてその先には…。
「みらい」さんが、「一緒に来る?」と言ったのは、永い淋しさからだったかもしれない。どれみッチが走って、「私、来たよ!」と言ったのは、「一緒に行ってもいい」と思ったからかもしれない。「みらい」さんには、どれみッチの未来が見えたのかもしれない。だから先に行ってしまったのかもしれない、「また会いましょう」とメッセージを残して。再び「みらい」さんと会う時、どれみッチは…?
MAHO堂の商品の飾り付けで誉められ、パオちゃんにも気に入られたぽっぷちゃん、「どれみッチの妹とは思えない」と誰からも大評判。そんなぽっぷちゃんに、デラから「1級試験」の知らせが届く(ハナちゃんは今度)。
ぽっぷちゃん達が学校での休み時間、ドッヂボールをしていると、「玉木 えりか」ちゃんが「このボールは予約していた」と割り込んで来る。他の事口ケンカになりかけたが、ぽっぷちゃんは「一緒にやろう」と「えりか」ちゃんを誘う。公園の塀に2年1組で絵を描く事になった。何の絵を描くか先生がクラスのみんなに聞くと、「えりか」ちゃんは「お花がいい」と言う。「れいか」姉ちゃん譲り(笑)のそのワンマンな性格のせいで、クラスでも孤立しかけている「えりか」ちゃん。ぽっぷちゃんも「お花がいい」と「えりか」ちゃんの意見を支持すると、クラスのみんなも賛成してくれた。
ハナちゃん今日は、春風家にお泊り。ぽっぷちゃんは、ピアノも上手になったとどれみッチと花ちゃんに誉められる。夕食の時、どじみ姉ちゃんはオカズのエビフライを皿ごと床に引っくり返してしまった(笑)!ぽっぷちゃんは、自分の分を半分どれみッチに分けてあげる。「ぽっぷがお姉ちゃんみたい」と、ハナちゃん。「魔女になったら何するの?」とハナちゃんに聞かれたら、「何をしよう?」とぽっぷちゃん。「ピアノはどうして始めたの?」と聞かれると「お姉ちゃんがしていたから」だった。考えてみると、「魔女見習い」になったのも、「ピアノ」を始めたのも、お姉ちゃんのどれみッチがしていたから自分もやってみたくなったものだった。MAHO堂のお姉ちゃん達は、ハナちゃんが「1級試験」に合格して魔女になるまで、魔女になる事が認められない。次の試験で合格したら、ぽっぷちゃんがどれみお姉ちゃんより先に「魔女」になる事になる。「どうしよう?」、その時始めてぽっぷちゃんは不安な気持ちになったのだった。
公園の塀に、ぽっぷちゃんと「えりか」ちゃん、2年1組のみんながクレヨンで「お花の絵」の下書きをした。いい感じに書けた下書きに、みんなは大はしゃぎ。
そしてぽっぷちゃんの「1級試験」の日がやって来た。「とにかく合格してから考えよう」と、まずは試験に挑むぽっぷちゃん。試験は、美空町で魔法を使い良い事をして、その人から「ありがとう」と言ってもらう事。でも相手には、「魔法を使った」事を知られては行けない。早速おばあちゃんの重そうな荷物を軽くしたり、木に引っかかったボールを取ってあげたりとしてみるが、どれも相手はぽっぷちゃんがやった事に気付かない。思いのほかこの課題が大変な事に気付いた。
一方妹が心配などれみッチ、モモちゃんが強引なアンマ(笑)のフォローでマジョリカをよそ見させている間にぽっぷちゃんのもとへ向かう。ぽっぷちゃんは、公園のゾウさん滑り台の中に閉じこもって一人悩んでいた。試験も難しいし、「魔女になったら何をしたらいいの?」という妹に、「きっとぽっぷの魔法を必要としている人がいるよ」と励ますどれみお姉ちゃん。そんな時、空から雨が降り始める。公園の2年1組が描いた「お花の絵」の下書きが消えてしまう!「えりか」ちゃんは、その「お花の絵」の下書きを守ろうとするが…?!
<感想>
「お姉ちゃんがやっていたから」と言うのは、兄弟姉妹では良くある事だと思う。僕の今の趣味「アニメ」「特撮」「プロレス」も、結構兄の影響が大きい。ぽっぷちゃんはあんなにしっかりしていて優秀なのに、結局お姉さんに依存心とコンプレックスがあったりするのだ。これも兄弟・親子の間ではいつまでも続いてしまう事らしい。弟・妹という立場にとっては、自分の考えを持って親や兄の影響から行く先を決める事が、一つの「独り立ち」の試練として必ずあるものと言えるかもしれない。ぽっぷちゃんはまだ小学2年生だから、「自分でどうするかを決める」と言うのは難しいだろう。
「アレンジ」や「運営」などでは優秀な人手も、その根本の「方向性」とか「趣旨」などを自分で定める事が出来ない人は多い。しかしこの根元にある物に強いものがないと、例えば出来上がったさくひんも重厚な物や説得力のあるものにはならない。それは人の生き方においても例えば「生き甲斐」だったりと重要な事で、永遠のテーマと言えるのかもしれない。ぽっぷちゃんはまだまだ幼いわけだから、焦る必要もなくじっくりこれからの事を考えていけばいい。ぽっぷちゃんなら、全く大丈夫だ。
小学6年生なら、中学の進路が大事な時。「玉木 れいか」ちゃんは、名門カレン女学院に進学と今からPRしまくり(笑)、成績優秀なはづきちゃんにも「カレン女学院に行くのか」と聞いて来た。「美空中だよ!」と言うどれみッチ、はづきちゃんもそのつもりだったが…。ホームルームの時、西沢先生から「カレン女学院」の願書を出すように言われる。聞けば個人懇談の時に、お母さんが希望したと言う。この前も反対したのに、お母さんの考えは変わっていなかった。はづきちゃんは、その日家でお母さんに話そうと決意する。
一方心配などれみッチは、一人はづきちゃんの家に駆けつける。お母さんは、はづきちゃんが「将来の夢」の作文で「バイオリニストになりたい」と書いていたのを読んで「カレン女学院」の志望を決めたと言った。それでも怒るはづきちゃんを見て、お母さんは泣き出してしまった。はづきちゃんも泣き出してその場を逃げ出そうとするが「じっくり話し合って」とばあやとどれみッチは止める。
「どうして私の事を勝手に決めるの?」と聞くはづきちゃんに、お母さんは、ばあやに「桜木さんのお話をしては」と言われて、自分の過去を話し始めた。
ある雨の日、学校帰りの若き「藤原れいこ」(お母さん)さんは、傘もなく濡れて帰ろうとしていると、見知らぬ男の人が傘を貸してくれたのだった。後日、その男の人とバッタリ再会する。彼に勧められ、一緒にお茶を飲みながら話を聞いた。彼は詩人志望で、その作品を読む内に「れいこ」さんは、その作品の素晴らしさと人柄に惹かれ、その後も度々会い続けた。そして一緒に両親に交際の許可を貰おうと、「れいこ」さんの家を訪ねることなった。しかし「れいこ」さんのお母さんは、二人の交際を認めなかった。意を決して「家で」をしようとした「れいこ」さんに、お母さんは一冊の詩集を差し出した。それはフランスの有名な詩人のもので、その詩はすべて桜木さんと同じ内容だった。後日そのことを問いただすと、「ばれたか」と彼は「資産目当ての結婚」を狙っていた事を認めたのだった。
落ち込む「れいこ」さんの前に、今の旦那さんが助監督して「家を撮影に使いたい」と訪ねて来たのだった。最初は断っていたが、何度も頼みに来る熱意に折れて「れいこ」さんの家はドラマの撮影で使われる事となった。その仕事ぶりやスタッフからの信頼を集める性格が魅力で、撮影が終わる頃には両親に結婚の申し込みをする程になっていた。お父さんは渋っていたが、お母さんはすぐにOKを出した。「きっと将来いい監督になる」と、認めてくれたのだった。その後二人は結婚し、旦那さんは今や有名な映画監督となり、そしてはづきちゃんが生れたのだった。死に際のベッドでお母さんは、「はづきちゃんを良い道に歩ませるように」と、「れいこ」さんに言い残していったのだった。
どれみッチも帰り道、「私の事は関係なく、自分で考えて」と言い、関先生は「迷うべし!後で後悔しないように」と言った。
さて、はづきちゃんが決めた進路は…?
<感想>
「親が子供の将来を心配する」事は、当たり前の事である。今までてを掛けて育てたわけだから、自分の希望を託す権利もあるだろう。しかし大概の場合それは、子供自身や周りの人達には「親の押し付け」になってしまい、またそれに従うのも「親の言いなり」と言う印象になってしまうのもありがちな事である。抵抗もあるのかもしれないが、正しければそれに従ってもいいのだ。今回のエピソードでは、「親のミエ」みたいなものは描かれていない。しかし本当は進路や就職、結婚なんかには必ず付いてくるものである。「良い道を歩ませる」と言う事は、取り様によってはそういった部分も入っているともとれなくもない。客観的に見れば、はづきちゃんには良い道が進める条件は揃っているのだ。ただ決めるのは、自分自身でなければならない。どんな結果になっても、相手のせいにはしてはならない。
「オレはオレ」と我が道を突き進む人は多い。しかし人は、半分「自分の為に生きて」、今自分が生かされている世界に対して半分「人の為に生きる」のが本当なのではないだろうか。はづきちゃんには関係ないが、やはり自分の意向で親を裏切ってしまった人には、将来自分の子供に夢を託す権利はないだろうと、個人的には考えている。当時の親の苦しみを、その子して味わうべきではないだろうか。
美空小学校児童会は、事業として「空缶集め5000個」を達成した。朝礼で発表し、生徒・先生達より祝福され、「玉木れいか」ちゃんはすっかり御満悦。しかしその後、児童会は5年生に引き継がれ、「れいか」ちゃんは会長職を終える事が校長先生より告げられた。そんなことも忘れていた「れいか」ちゃんは、「普通のオバさん(笑)の中学生になってしまう!」とがっかり。その頃、「先々代の女王様」の「深い悲しみ」が、「黒い雲」となって「人間界」にも…。
いよいよ最後の「一級試験」の通達が来て、大喜びのハナちゃん。浮かれて歩いていると、角で「れいか」ちゃんとぶつかってしまった!怒り狂うのかと思われた「れいか」ちゃんは、何と「ごめんなさい」と謝って行ってしまった。なんだか、雰囲気も変に(笑)おとなしい。MAHO堂のみんなも変だと思っていたら、授業中はうわの空だし、泣き出してしまうし、とうとう迎えが来て途中で家に帰ってしまった。
そしてハナちゃんの「一級試験」!今日の日が沈むまでに、美空町で魔法を使い困っている人を助け、「ありがとう」と言ってもらわなければならない。でも相手に、「魔法を使った」と言う事がバレては行けない。始めは余裕だったハナちゃんも、困った人が見つけれられず慌て始め、どれみッチ達も心配になって後をつけて見守る。空も夕暮れになった頃、ハナちゃんは一人困っている人を思いついた!急いで「玉木れいか」ちゃんの家に急ぐ!
<感想>
ぽっぷちゃんの「一級試験」はあんなに良かったのに、今回のはちょっと…(苦笑)。しかし他の人なら寝込んでしまう程の「黒い雲」なのに、まだ起きてウロウロしているのはやっぱり「玉木れいか」の凄い所(笑)?!
<あらすじ>
「遅刻だぁ〜っ!」、学校に走る走るMAHO堂のみんな!原因は「どれみッチがモタモタしていたから(笑)」。でもその原因は、「ハナちゃんの寝起きの髪が鳥の巣みたいにボサボサだったから(笑)」。ついには、「みんなで遅れれば恐くないよ(もも←オイオイ笑)」と、開き直りリラックスしてしまう始末。「こんなんしてる場合ヤない〜っ!(あいちゃん)」と、ドアを開けるなりどれみッチ、モモちゃん、ハナちゃんは「すみませ〜ん!」と平謝り!…って、なんかみんな静かだねぇ?えっ、教室のみんなが寝ている?!あいちゃんやぽっぷちゃん達のクラスも?!…これってもしかして、「先々代の女王様」の「黒い雲」?!
寝ているみんなを起こすのはハナちゃんとパオちゃんに任せるとして、いよいよ「先々代の女王様」がお孫さんに贈った最後のアイテムを作らなければならない。しかしその手がかりを妖精ババに聞こうとすると、ババは「本当に先々代の女王様を起こすのか」と渋るのだった。例え目覚めたとしても、「先々代の女王様」荷は、孤独な悲しい人生が待っていると、ババは心配していたのだった。しかしそれでも、今の現状はなんとかしなければならない!そんな時、テレビのクイズ番組にお仕事で出演していた♪ちゃんは、そのクイズの出題の映像から不思議な男の子を知る。この子は呪文を唱えると、何と動物の言葉が分かる様になったのだった!名前は、「ジョルジュ=ベネックス」。これって「先々代の女王様」の子孫?!どれみッチ達は、早速最後の手がかりを求めて、「ジョルジュ」君を訪ねた!
<感想>
「先々代の女王様」って、「1000年以上も年格好が変わっていない」?!ということはウン万歳?!「ウルトラ族」並みだ(笑)!「魔女界」は、「人間界」と交流を持つ前に、「ウルトラ族」と交流を持つべきだ!しかしそうすると、「魔法使い界」も同じなのだろうか?同じだったら、「FLAT4」も何万歳(笑)?!…どれみッチ派「あかつき君」と引っ付かない方がいいね(笑)。更に良く考えてみると、ベネックス一族も「魔女との混血」なのだから、魔法も使えるのなら寿命の方も常人より長くなってもいいのではないか?「魔女界」でも「屈指の強力な魔力」を持つ、「先々代の女王様」の遺伝子が入っているのだから。そう考えていくと、「先々代の女王様」の設定だけで、色々と物語が考えられてしまう。1000年という年月が流れているのだから、もっと膨らましたエピソードがあっても良かったような気がする。(次の感想に続く)
<あらすじ>
「ジョルジュ=ベネックス」君の助けを借りて、「タペストリー」をスケッチして来たどれみッチ達。急ぎMAHO堂の機織り機で「タペストリー」を織り始める。何と、「魔女界」から「マジョ=クロス」さんの機織り機も借りて2台掛かりだ!こうしている間にも、町中どころか「日本中」で人々が眠り始め、あいちゃんやはづきちゃんの家にも「黒い雲」の被害が及んでいた!MAHO堂のみんなは、夜なべをして機を織るのが精一杯!ハナちゃん、パオちゃんだけでは手におえない!すると、「魔法使い界」から「FLOAT5(FLAT4+オヤジーデ笑)」が救援に駆けつけてくれた!
みんながアクセクして「タペストリー」を織り続ける中、どれみッチはそのスケッチを見て「先々代の女王様」と息子の「ロイ」さんは笑顔なのに、周りのお孫さん達の表情が硬いと気になった。「みんな笑顔にしよう」と提案すると、MAHO堂のみんなも大賛成、すぐにそうすることにしたのだった。「黒い雲」はどんどん広がる!しかしオヤジーデの機転でパオちゃんを魔法で「巨大化」(笑)!そして「タペストリー」は完成した!はじめは「先々代の女王様」を目覚めさせるのも渋っていた妖精ババも、MAHOどうを目覚めさせるのも渋っていた妖精ババも、MAHO堂のみんなが夜なべをして頑張っている姿を見て、どれみッチ達を「先々代の女王様」のチェストの中に導くのだった。
「巨大化」して「黒い雲」を吸い込むパオちゃんに、巨大なイバラはハナちゃん、「FLOAT5」達を捕まえて対抗、大ピンチ!「マジカルステージ」で「先々代の女王様」の心の中に入ったどれみッチ達が見たものは、極寒の世界で人間に絶望し、苦しむ「先々代の女王様」の姿だった。
<感想>
「先々代の女王様」が、いつから「深い眠り」に付いたか定かではないが、おそらく息子の「ロイ」さんの死後しばらくしての事だろう。お孫さん達は、「父危篤」の手紙を受け取り、駆けつけようとしたが間に合わなかった。その後祖母(先々代の女王様)の行方を捜しても見つかるはずもない。彼女は「魔女界」で「深い眠り」についていたのだから。しかし「先々代の女王様」は「魔女」なのだから、その気になれば「孫達をその場に呼ぶ」事も、「孫達の様子を知る」事も出来たはずなのだ。「人間界」で「魔法を使うのを止めた」からかもしれないが、お孫さん達が家を出ていってしまった後、それぞれの様子を知る事に恐れを感じていたのかもしれない。
「先々代の女王様」は、夢の氷河の世界で孫達の言葉を思い出し、苦しみ続けていたのだった。そのシーンの描写は良かったのだが、後のどれみッチ達が悟った「限りある命」や、「受け継がれる心」の表現の一つとしては少し弱かったような気がする。先に僕は、「先々代の女王様」の「深い悲しみ」は、アイテムを揃えるだけではなく、「孫達との和解」まで行かなければ解決にはならない、と書いたのだが、残念ながらそこまで至る印象のものではなかったようだ。
「日記」や「タペストリー」があった、というだけではなく、出来れば、子孫の「ジョルジュ」君にも会って、代々伝えられていた伝言を告げるとか、「先々代の女王様」の存在を信じて世界中を探し続けている子孫がいるとか、密かに「魔女」を受け入れて共存する集落が存在するとか、1000年の時の流れを越える何か強い愛情表現が欲しい所だった。まあこれも、「おジャ魔女どれみ・シリーズ」だから言う贅沢な注文なのだが。
<あらすじ>
いよいよ「先々代の女王様」が目覚めた!「深い悲しみ」の「黒い雲」も消え、「魔女界」「人間界」「魔法使い界」に平和が訪れた。「女王様」より事情を聞いた「先々代の女王様」は、眠っていたとはいえ、自らがもたらした災いを詫びるのであった。どれみッチは、「魔女ガエルの呪いを解いて欲しい」と願い出るのだった。もともと「魔女ガエルの呪い」も「人間界」に絶望した「先々代の女王様」が、「魔女」が「人間界」に行かなくする為に掛けた魔法だったのだった。自分が良かれと思い行った事で、多くの人達が苦しんでいた事を知った「先々代の女王様」は、元老院魔女やどれみッチ達の力を借りて、「魔女ガエルの呪い」解くのだった。カエルから元の姿に戻った「魔女」達は大喜び!でも「マジリカ」だけは何故かカエルの姿に戻ってしまった?!これは「魔女になったどれみッチに戻してもらう」ように、妖精ババが考えた粋な計らいだったのだった。
「先々代の女王様」と共に、ババもどれみッチ達とはお別れである。「マジョ=ロクサーヌ」、「マジョ=クロス」達に迎えられた「先々代の女王様」。これからは、ババと共に「人間界」へ旅立つことになった。「時期女王候補」である「ハナちゃん」を育て、「先々代の女王様」を「深い悲しみ」より目覚めさせたこれまでの働きにより、どれみッチ、あいちゃん、はづきちゃん、♪ちゃん、モモちゃん、ハナちゃん、ぽっぷちゃんは、皆「魔女」になる事を「元老院魔女」より承認を受けた。そして「女王様」は、これを持って女王の任を降りる事も宣言し、「時期女王」に「ハナちゃん」を推薦するのだった!しかし今のハナちゃんでは幼すぎる。「マジョリカ」とどれみッチ達に手助けを頼むのだった。
いよいよ「魔女」になれる!大喜びするどれみッチ達に、女王様は、「本当に、いいのか?」と聞くのであった。「魔女」になると言う事は、「魔女見習いでもなく、人間でもなくなる」と言う事だったのだ。つまり、「魔女」と言う、全く違う人生を歩まなければならない。その返事は、一ヶ月後にする事となった。
<感想>
「先々代の女王様」の復活と、それに喜びと敬意を表する「魔女」達。ババや「マジョ=ロクサーヌ」「マジョ=クロス」との再会などを丹念に描き、「マジョリカ」を除いて「魔女ガエルの呪い」を解いた後、「人間界」へと旅立って行く「先々代の女王様」の人柄と周囲の人々の行いが何気なく小気味いいものだった。ババが今でも「先々代の女王様」の事を「女王様」と呼び、「私はもうただのマジョ=トゥールビオンです」と言っても、「はい女王様」と言ってしまう(笑)。そんなババを見て、「これは時間が掛かりますね。でもこれから時間は一杯ありますから」と言った「先々代の女王様」。
それまでの凶悪な災いがウソのようであった(笑)。
MAHO堂でどれみッチ達が珍しく揃って仕事をしていると、テレビを見ていたマジョリカとララが何かに驚いて声を上げた。何事かと駆けつけたみんなは、テレビを見てビックリ!何と♪ちゃんが、芸能人が通う有名中学校に入学する、というニュースだったのだ。その場でどれみッチ達が問い正すと、♪ちゃんは「仕事も勉強も頑張りたい」と、その入学を認めるのだった。そんな中、モモちゃんにもパパとママから「アメリカへ帰る」話が出たのだった。昔はアメリカに帰りたかったのに、今はどれみッチ達ともお別れをしたくない。♪ちゃんのように、はっきりと進路を選ぶ事が出来ず迷うモモちゃん。すると夢の中で、あの懐かしい「マジョ=モンロー」が現れて…。そしてモモちゃんは、MAHO堂のみんなに「お茶会」の招待状を送るのだった。どれみッチだけは、「早く来て手伝って欲しい」と。
<感想>
「帰国子女」であり、「ベス」ちゃんでの「人種差別」など、モモちゃんにはかなりのエピソードがあるはずなのだろうが、後半どちらかというと「日本かぶれ(笑)」になり、「日本文化アンソロジー」を表現するキャラクターになってしまったのが、余りそこら編を掘り下げる機会がなくなった原因かもしれない。「たのしい幼稚園」とか「おともだち」では「英語」のコーナーを持ったりと活躍のようであったが。「マジョ=モンロー」が出て来て、パパとママとMAHO堂のみんなを「どっちが大切に思ってくれるか」ということで天秤に掛けさせるやり方は、ちょっと抵抗があった。「ベス」ちゃんなど、アメリカにはモモちゃんを必要としている人がいる、という表現にした方が良かったのではないだろうか。所で「パティシェ」を本格的にやりたいのであれば、行く先はやっぱり「フランス(バジトフ〜ン笑)」ではないでしょうか?
♪ちゃんの進路の話もあったのだが、彼女は幼くして「メジャーな人」なので、「完璧」で迷いがない。余談だが、やっぱり「メジャーな人」って、「やらなければならない時に完璧にやれる」所が他の人と違うのだろうな、なんて近頃感じてしまった。そんな♪ちゃんが、どれみッチに、「あなたがなるなら、私も魔女になってもいいかな」と言ったのは、凄く意外な事だった。「どれみちゃんが魔女になるなら、付き合ってあげてもいい」と言うことだったのだろうか?クールな彼女らしからぬ、さり気ないが最大の愛情表現だったのではないか。彼女にとって、本当にいつまでもそばにいて欲しい友達は、「どれみッチだけ」だったのかもしれない。
自宅で倒れて以来、介護施設へ入居したあいちゃんのおじいちゃん。施設でもワガママで評判が悪い。娘のあつこさんが「ここは家じゃないんだから」と言っても、耳を貸さない。あれ以来、土・日曜と大阪に来ているあいちゃん、今週もおじいちゃんを訪ねてきた。「おじいちゃん、具合はどない?」と声を掛けても返事をしない。実はあいちゃん、一度もおじいちゃんから口を聞いてもらえていなかったのだった。夜勤でもう上がるお母さんを見送ったあいちゃんは、一人「今日こそ、おじいちゃんと話する」と決意し部屋に戻っていった。
あいちゃんが心配などれみッチは、MAHO堂の仕事もおぼつかない。マジョリカを説得して「みんなで大阪に行こう」と言う事になるが、はづきちゃんだけ用事で遅れている(実は「カレン女学院」の受験をしていた)ので、どれみッチだけ独り先に向かう事になった。車椅子を押して表に出るも、おじいちゃんはあいちゃんと口を聞いてくれない。部屋にどれみッチが着いた。あいちゃんが紹介するも、やはり喋ってはくれない。しかし突然、おじいちゃんは苦しみ出して「あつこを呼べ!」と言い始めた。お母さんは夜勤明けで帰ったばかり、呼び戻せないとあいちゃんが言っても、おじいちゃんは聞かない。あいちゃんはあることを思いついて、慌ててどれみッチを部屋から出した!…しかし遅かった。ベットのシーツがみるみる濡れていく。おじいちゃんはおトイレをしたかったのだった。あいちゃんは謝るが、おじいちゃんは怒って彼女を突き飛ばしてしまった!何事かとどれみッチは部屋を覗くが、あいちゃんは慌てて「何もない」と言い張る。
たまりかねたどれみッチは、「あいちゃん、布団干しながら泣いてたよ!」とおじいちゃんに詰め寄る。あいちゃんは、そんなどれみッチに「独りでやるから」と言った。色々自分に気を使ってくれるあいちゃんに、おじいちゃんはやっと口を開いた。
「何で来るんや?ワシの事キライやろ?」
あいちゃんは、自分の気持ちをおじいちゃんに話すのだった。
<感想>
「離婚」「老人介護」、そして「親族のしがらみ」なんてテーマを、これだけ持ち込んだうアニメ―ションに持ち込んだのは、おそらく「おジャ魔女どれみ」が始めてだろう。どれみッチとぽっぷちゃんの姉妹、はづきちゃんとお母さん、あいちゃんとお父ちゃん、おかあちゃん、おじいちゃんなど、上げたらキリがないが、これだけいくつもの人間関係とストーリーを描き、また最も身近でありながらこれ程掘り下げて現代の「家族」の中にある問題を取り上げた作品はなかったのではないだろうか。その中でも「どれみッチ」「あいちゃん」「はづきちゃん」三人のエピソードは、既に「無印」の時から設定されていたものである。そういう意味でも、この「おジャ魔女どれみ」のシリーズはかなりの野心作であったと言えるのではないだろうか。
もし過去に同じ様なテーマを取り上げる作品が出ていたら、おそらく「連ドラ」のようなクドクドと各テーマの解決までの過程を引っ張るかなり湿っぽいものになっていたことだろう。しかしそうはせずに、ギャグなどの明るいストーリー展開の中に、これらのエピソードが簡潔に入れられている事で、よりメッセージを伝える事に成功していると言える。もう昔ほど、クドクドとテーマなり、エピソードなりを重ねて視聴者に説明する必要もないのではないか。富野さんの作品に慣れてしまった僕には、一般のドラマなどのストーリー展開が恐ろしく退屈な物になってしまったのだ。しかしこれは見る人の趣向によるので一概には言えないかもしれない。
そもそもあいちゃんのお父ちゃんの「こうじさん」と、おかあちゃんの「あつこさん」が離婚する事になったのは、「あつこさん」が老人介護の仕事に追われ、家で妻と母親をやらなくなってしまった事に「こうじさん」が不満を持った事が原因であった。後で「あつこさん」が何故老人介護の仕事にこだわるのかと言う理由として、「おじいちゃん」が出て来たのだった。「こうじさん」と「あつこさん」は、「おじいちゃん」「おばあちゃん」の反対を押し切って結婚をし、その事が原因で「おばあちゃん」が死んでしまったという事だったのだ。劇場公開された「カエル石のひみつ」で、そのエピソードが語られている。「も〜っと!」あたりでは「雪解けムード」だった夫婦に、「ドッカ〜ン!」の終盤になってから「おじいちゃん」が「寝たきり」になってしまうという、新たな問題が生じてしまった。あいちゃんが願っていた「こうじさん」と「あつこさん」の「再婚」、「同居」に、より複雑な事情が絡んで来てしまったのだった。
あいちゃんは、同居を承知した「おじいちゃん」の前で「ヤッター!」と声を上げてしまう程、「おじいちゃんと仲直りをする」事に掛けて大阪の介護施設に通っていた。結局あいちゃんが「おじいちゃん」に自分の気持ちを話し、「こうじさん」と「あつこさん」と一緒に頭を下げて、特にドラマチックな出来事という手法は使わずに話はまとまってしまった。「おじいちゃん」「こうじさん」「あつこさん」ら三人を結び付けたのは、「あいちゃん」の存在だった。「こうじさん」と「あつこさん」は、共に職を持っているので、個人的に生活にも困らず、またそれぞれに別の相手と結ばれてしまう可能性もあったのだ。「おじいちゃん」にしても、二人の結婚を許す事が出来ず、実は「おばあちゃんは死に際まで二人の結婚を許して欲しいと言っていた」事を明らかにする事もなかっただろう。三人がお互いを許し合って「一つ屋根の下で暮らそう」と決めたのは、「あいちゃんが望んだ」からであった。
そして「あいちゃん」が、面倒見の良い元気な子だった事も理由なのだ。「あいちゃん」を見て、「おじいちゃん」も「こうじさん」「あつこさん」と同じ様に、「この子と一緒にいたい」と思った事だろう。「こうじさん」に「おじいちゃん」は、「良い子に育ててくれた」といったが、それと当然どれみッチ達MAHO堂のみんなとの出会いと、「ハナちゃんの子育て」「魔女見習い」などの経験による所も大きいはずである。
「おじいちゃん」に至っては、実は「おばあちゃん」が心を痛めてしまったのは自分が原因だった訳で、またそれを「こうじさんとあつこさんのせい」にすり換えてしまっていたのだ。実に罪深い事と言えるが、それは僕が先の「あいこの決意」の感想で語った通り、「あつこさん」が「おじいちゃん」の「心の寄り所」だったからなのだ。本来は攻められる所ではあるのだが、親族であるのならば、「おじいちゃん」が二人を許したように、「おじいちゃん」の思いも許さなければならないのだ。「おじいちゃん」は「寝たきり」になってしまったので、他の家族がその世話に手を取られてしまう事は仕方がないだろう。ただお互いが「祖父」「父親」「母親」「夫」「妻」「娘」と、求めまた応える事が出来る時は、日々の生活の中では僅かなものである。誰かが過剰に求めてもいけないし、それぞれが少しずつふれあっていく事も忘れてはいけない。
今回の「あいちゃん」のエピソードには関係がないが、自分の「心の寄り所」を「親族」や「仕事」のみに求めてしまう事の危険性を感じている。やはり「自分の人生」は自分で「生き甲斐」を見つけて、自分で完結させなければならないのではないかと思うのである。僕はまだ「家庭」を持たないが、経済的にはあるかもしれないが、「人生の演出」を自分の子供に委ねるつもりはない。絵でも衣服でも文章でも、いくらでも自分の人生でして置きたい事はある。引退して「仕事」を失い、その埋め合わせを「親族」のみに求めるのは無理な話だ。会って楽しめる友達も作り、日々楽しめる趣味も作る。自分で「人生の設計」をしておく事も、そり人の「義務」であり「才能」であると思うのだ。
「おじいちゃん」「お父ちゃん」「おかあちゃん」、「あいちゃん」はそれぞれを大切にして日々を送るだろう。でもこれからの「あいちゃんの人生」、彼女は何を夢に生きていくのだろうか。本編では語られないが、個人的には楽しみな所である。
「FRIENDS(フレンズ)」というタイトルの曲を、「ふじわら はづき」ちゃんは書いて来た。「みんなで記念に何かしたい」と思ったからだった。
みんな揃って登校して来た時、「たまき れいか」ちゃんに「はづきちゃん」が「カレン女学院に合格」した事を知る。「進路は美空中って言ってなかった?」とどれみッチが聞くと、「とりあえず受けてみた」と応える「はづきちゃん」。でも何故か気持ちが落ち着かない。「自分は美空中へ行く!」とムキになってどれみッチに言う程、気持ちが落ち込んでいってしまう。肝心な曲の練習でも失敗ばかり。
「はづきちゃん」の「FRIENDS(フレンズ)」は、みんなの間で大好評、♪ちゃんも「知り合いのミュージシャンに誉められた」といい、みんな「はづきちゃんは才能がある」と言うと、どれみッチは「前から知っていた」と何故か大威張り(笑)。関先生に呼び出され、「お前は、バイオリニストになるんだろう?」と言われた時、「はづきちゃん」はようやく自分の望んでいる道に気付くのだった。
雪の降る朝、校門前でバッタリとどれみッチに会ったはづきちゃんは、自分がバイオリンが好きになった思い出を話すのだった。
<感想>
発表会の劇の総指揮を押し付けられた時、クラスのみんなの取りまとめでアタフタと走り回り、「自分はどうしたいのか」と他の子に言われるまで気付かなかった。「ふじわら はづき」ちゃん。今回も「自分の進路は美空中!」と言いながら、何度も何度も自分に言い聞かせながらも独り苦しみ続け、関先生に「お前は、バイオリニストになりたいんだろう?」と言われるまで「自分の希望」に気が付かなかった。観る人によっては、このはづきちゃんの苦しみ方や、自分の考えを導き出せない所などが理解できないかもしれない。
それは、はづきちゃんがより「相手の事を考える」子だからである。今回の進路についても、「どれみッチ」の事を考えて彼女は苦しんだのだった。MAHO堂の他のおともだちは、それぞれの志で行く道を決めていく。しかし最後の最後まで迷い続けたのは、やはりはづきちゃんが「どれみッチ」と一番長く付き合った「親友」であるからであった。実は前回の「自分で決める!はづきの道」でお話はまとまったような印象があったので、何故最終回の際で彼女の話が入って来たのか、観るまでは理解できなかった。しかし、前回は「母親からの独り立ち」で、今回は「どれみッチとの別れ」と、はづきちゃんにとっては大きな決断の日だったのだ。そして幼なじみであるはづきちゃんのエピソードを、作者が「一番最後にとって置いた」のだとも思えた。
その控えめな性格から、他のMAHO堂メンバーに食われてしまって、タマにお化け話とかでキレて「ケケケケ…!」とかなる時ぐらいしか目立たないはづきちゃんだが、意外と作者が一番気に入っているのは「はづきちゃん」なのではないか。「どれみッチ」や「あいちゃん」のエピソードも良いのだが、はづきちゃんのエピソードは、今までもより丁寧に描かれているような印象がある。
今回は、CGを駆使した降り続ける「雪」が効果的に使われた「名作」となった。寒々とした「雪景色」の中で、はづきちゃんとどれみッチの友情がほのかに温もりを持つ「ともし火」として描き出されていた。凍えるはづきちゃんの心に深くシンクロしてしまった僕は、どれみッチが「きっと手に取るように分かるよ」と手袋をつけた手で彼女の手を握った時、自分自身の手を温めてもらっている感覚を持ってしまった程だった。
所で前回五ツ星をつけた「どれみと魔法をやめた魔女」とは同じ演出家の方がやっていて、ファンの間ではその演出が一つの「ブランド」となっているそうである。「他の話はカス」と極端な事を言っている人もいるらしいが、それはその演出に応える「どれみスタッフの作画力」とそれまで積み上げられて来た「どれみッチ達のキャラクター」があるから出来た「名作」なのであって、その事を勘違いしては行けないだろう。
<あらすじ>
どれみッチ達がMAHO堂に来てみると、何と「MAHO堂の看板」がなくなっていた!「魔女界」の「時期女王」となるハナちゃんの「後継人」として、マジョリカと妖精ララは「魔女界」に帰る事になっていたのだった。
そして今晩、どれみッチ達は「魔女になるのか」の返事をしなければならないのだった。
「魔女界」に訪れたどれみッチ達に、まずは「女王様」から「隠していた事がある」ということだった。そしていつも顔にしていたベールを外すと…!「女王様」は、「魔女界」と「人間界」の「掛け橋となる子」を世界中を周って探していたのだった。そして7年前、いじめっ子からいじめられているお友達をかばっていた幼稚園の「どれみッチ」を見かけたのだった。でもそのいじめっ子が滑り台でコケて怪我をすると、「おまじない」でその子の傷を治そうとしていたのだった。
そしてどれみッチはマジョリカと出会い、「魔女見習い」になったのだった。その縁を感じた「女王様」は、そして「はづきちゃん」「あいちゃん」「ぽっぷちゃん」と揃って「魔女見習い」となり、「バッドアイテム」を集めさせたり、♪ちゃんも参加するとハナちゃんの誕生に立ち会わせて育てさせたり、「先々代の女王」の「深い悲しみ」を取り除く事を考えたのだった。全ての謎が明らかになった後、いよいよどれみッチ達は「魔女になるのか」返事をする時が来た。
どれみッチ達の答えは?!
<感想>
「魔女界」と「人間界」の交流が、「女王様」の願いだった訳で、幼少の時から目をつけられたどれみッチやMAHO堂のみんなは、それに「巻き込まれてしまった」訳である。結果的に「魔女界」「魔法使い界」を救い、ハナちゃんもどれみッチ達にも貴重な経験をさせ成長させたのは、「女王様」の「人選が正しかった」とも言えるのだろうか(笑)。あの歳でこれだけモマレたどれみッチ達は、「相当いい子になる」と思う(笑)。
当初から問題となっていた「魔女界」と「人間界」の交流の結論は、ハナちゃんが女王になったらと言う事で先送りにされる形となった。お話の上では別に交流しても良いのだが、個人的意見としては、人間と言う者は「楽な方楽な方」へと身も心も反応していく訳で、出来たらどれみッチ達みたいに「選ばれた人」だけでやって欲しいと思います(笑)。
願わくば、「恐怖で人を支配」しようとする者や、「悪事で私腹を肥やす」輩には、「人間ガエル」になる呪いをハナちゃんに掛けて欲しいくらいだ。
ハナちゃんやどれみッチ達には、「そんなことしなくてもいいから、幸せになってね」と言ってあげたい気分です。
<あらすじ>
とうとう、どれみッチ達の小学校生活最期の日がやって来た。卒業式を迎えるどれみッチは、ちょっとおセンチになったのか珍しく朝ご飯を残してしまう。お母さんに見送られて元気に出ていったどれみッチだったが、何故か時間になっても学校に姿を表さなかった?!
<感想>
最後の最後でどんでん返しと言うか、意外かつ裏切られた気分で、最初観た時はかなりショックだった。ぼくのなかで「どれみっち」はもう「天使さま(笑)」だったのだ。小さい、本来の視聴者(笑)の子ども達には、へたをすれば全く意見がわからなかったかもしれない。しかし普通は「やっぱり一緒にいて!」と言うのも子供らしい所だ。
一回目観てショックを受けながらも、何故作者は最終回をこの様な形にしたのか考えてみた。ハナちゃん、モモちゃん、♪ちゃん、あいちゃん、はづきちゃんと、それぞれが「自分の望み」をそれまでの多くの経験から、自らの手で果たしていった。しかしそんな中で「どれみッチ」だけは、「好きな人に想いを打ち明ける事」を成し遂げていなかったのだった。そして主役の「どれみちゃん」には、別のテーマがあったのだ。それは、彼女が良く自分で口にする『世界一不幸な美少女』という言葉。何の取り柄もなく、オッチョコチョイで、自分でバカな子と思っていても、必ず人に愛される所があって、『世界一幸せな美少女』と思える時が来る、というメッセージである。「無印」の頃と比べて、どれみちゃんは随分と成長して「いい子」になってしまった。しかしこのメッセージを伝える為には、どれみちゃんに一時的にも「駄目な子」になってもらわなければならなかったのだ。
MAHO堂に閉じこもったどれみちゃんに、他のみんなが僕にとっては「今更言うまでもない」彼女の素晴らしさを説明していく。これも本来の視聴者(笑)の為。そして普通に卒業式だけをやってしまっていたら、30分間では治まりが付かないくらいそれぞれのキャラクターのエピソードがある為、美空小学校の生徒達は、それぞれの思いを語り合っていつまでも家に帰らなくなってしまっていた事だろう(笑)。
春風一家が、ステーキを七輪で焼いてどれみッチを誘い出そうとするシーンで、僕は「あしたのジョー」で減量中のジョーを、段平オッさんが蒲焼きの煙で呼び出そうとするシーンを思い出してしまった(笑)。そして「どれみッチ」も「ジョー」と同じ様に、その誘惑に打ち勝ってしまったのだった。さすが「どれみッチ」!!
実際に卒業式を中断させてしまった事は、「大問題」であるのだが、美空小学校全体を動かしてしまう程、「どれみちゃん」の存在は大きかったのだ。ハナちゃんと別れた後も、本当はみんな悲しいはずなのに、「どれみちゃん」に「行こう!」と声を掛ける。元MAHO堂のみんなも『どれみちゃんの大親友』だったのだ。
月日は流れ、「どれみちゃん」はちょっと大人になって駆けてくる。浜辺で想いの人に手紙を渡しながら、「ほら、私も出来るようになったでしょ?」と、僕達にニッコリと笑う。どれみちゃんは、「普通の女の子」として成長して行く…。
ありがとう!これからも「がんばれどれみちゃん」!!